運転免許証の住所変更は14日過ぎたら失効?罰金?手続きの流れや本籍地についても
引越しのときには、さまざまな手続きをしなけれなばなりません。忙しくてつい忘れがちなのが、運転免許証の住所変更です。
住民票などの届け出は引越しをしてから14日以内ですが、免許証の住所変更に期限はあるのでしょうか。また、忘れた場合どうなるのでしょうか。道路交通法94条第1項では住所変更に関することが、同じく121条第1項第9号には変更しない場合の罰則が定められています。
こちらでは、引越しの後に必要な運転免許証の住所変更について、必要な書類や更新場所などを詳しく解説します。
目次
運転免許証の住所変更期限は14日以内?14日過ぎたらどうなる?
引越しの際には、転出・転入などの届出は引越しをしてから14日以内と定められています。運転
免許証の住所変更期限も、同様に14日以内なのでしょうか。
道路交通法94条第1項では、「氏名や住所等免許証の記載事項に変更が生じた場合には、速やかに住所地公安委員会に届け出て、 変更に係る事項の記載を受けなければなりません。」とありますので、何日以内にしなければならないという規定はありません。ただし、道路交通法121条第1項第9号には、「届出等を行わなかった場合には、2万円以下の罰金又は科料に処せられる」旨の記載があります。
運転免許証の住所変更の期限はないものの、道路交通法に従って速やかに変更手続きをすることをおすすめします。運転免許証の更新時期が間近に迫っている場合には、更新時にあわせて住所変更を行いましょう。
運転免許証の住所変更をする流れ
運転免許証の住所変更をする際には、届出に必要な書類を準備しなければいけません。同一都道府県内での住所変更の場合と、都道府県からの転入による住所変更の場合ではそろえる書類が違ってきます。また、本人ではなく代理人が手続きをする場合は委任状が必要になります。
届出をする自治体によっては、書類の提出先も異なります。事前に新住所の自治体のHPなどを確認し、運転免許の住所変更手続き方法についてチェックしておきましょう。なお、住所変更の際には手数料はかかりません。
運転免許証の住所変更について1:必要書類
<同一都道府県内での住所変更の場合住所変更に必要なもの>
- 運転免許証
- 住民票の写し、または新住所を確認できる書類(住民票・健康保険証・マイナンバーカード(通知カードは不可)・年金手帳・新住所へ送付された消印付きハガキ(年賀状は不可)・公共料金の領収証・外国人登録証明書などで新住所が記載されたもの)
- 印鑑(認印でも可)
- 運転免許証記載事項変更届(警察署や運転免許センターにある)
運転免許証の更新期限が過ぎてしまっている場合は、6か月以内でしたら届出が可能です。その場合には、失効した免許証、本籍地が記載されている住民票の写し1通、運転免許証更新通知書などが必要です。写真は縦3cm×横2.4cmのサイズで、無帽・正面・上三分身・無背景の、撮影後6か月以内の写真を用意しましょう。70歳以上の方は、高齢者講習修了証明書が必要です。
新住所を証明する書類は、いずれも原本が必要で、コピーしたものは使用できません。
<都道府県からの転入による住所変更に必要なもの>
- 運転免許証
- 住民票の写し、または新住所を確認できる書類
- 印鑑
- 運転免許証記載事項変更届
- 顔写真
顔写真以外は、同一都道府県内での住所変更の場合住所変更に必要なものと同じです。
顔写真は、申請前6か月以内に撮影した申請用写真1枚(カラーまたは白黒で縦3cm×横2.43cm)を用意します。ただし顔写真は不要なこともあるので、免許センターなど自治体の申請機関に確認しておくと無駄がありません。
運転免許証の住所変更について2:申請場所
運転免許証の住所変更の申請場所は、新住所を管轄する以下の場所です。
- 運転免許センター
- 自動車運転試験場
- 警察署や交番
警察署や交番での申請ができるかどうかは自治体によって異なります。また、届出時間も申請場所によって違いますので、新住所の自治体のHPや電話で申請場所や受付時間も確認しておきましょう。
運転免許証の住所変更について3:手続きにかかる時間
運転免許証の住所変更手続きにかかる時間は、申請場所の混み具合によって異なりますが、1時間〜1時間半程度です。混み具合などで多少時間がかかっても問題ないように、時間に余裕を持って手続きに臨みましょう。ただし申請書類の不備があると証明書を取り直す必要などが生じて、出直さなければならないことがあります。
運転免許証の住所変更について4:代理人申請の場合
運転免許証の住所変更は原則本人ですが、家族などの代理申請も可能です。
本人が届け出をする場合に必要なものは、以下のとおりです。
- 運転免許証
- 住民票の写し(コピー不可)など新住所を証明するもの
- 印鑑(不要な場合も)
- 顔写真(都道府県を越える引越しは必要な場合も)
代理人が届け出をする場合には、本人が届け出をする場合の書類のほかに、以下が必要です。
- 代理人の本人確認書類
- 住民票(代理人と依頼人が記載されたもの)
- 申請者からの委任状
結婚などで本籍地に変更がある場合は、本籍地が記載された住民票の写し(コピー不可)が必要です。また、世帯の全員が引越しした場合は、世帯の代表者が家族全員分の住所変更が可能です。代理人の条件については自治体によって違うので、HPや電話で確かめましょう。
運転免許証の住所変更をしない場合どうなるの?
道路交通法121条第1項第9号にあるとおり、罰金を払わなければならない可能性があります。そのほかに、運転免許更新手続きの通知が届かないために運転免許証の更新時期を逃したり、さらに免許失効となったりすることも考えられます。さらに運転免許証を本人確認の書類として使えなくなるため、日常でも困ることが出てきます。
詳しくみていきましょう。
2万円以下の罰金もしくは科料に処せられる可能性がある
道路交通法121条第1項第9号には、「届出等を行わなかった場合には、2万円以下の罰金又は科料に処せられることがあります」と記載されているため、違反した場合には罰金を課せられる可能性があります。住所変更をしなければならない期限は明記されていませんが、うっかり忘れてしまうことがないよう、引越しに関するほかの手続きと一緒に行いましょう。
本人確認書類として利用できない
日常生活では、本人確認のために身分証提示を求められる機会が多々あります。普段から持ち歩くことが多い運転免許証を、身分証明として利用している方も多いでしょう。
しかし運転免許証に記載された住所が違うと、本人確認書類として利用できません。
運転免許証更新の通知ハガキが届かない
運転免許証の更新時には、運転免許証に登録されている住所に「運転免許証更新のお知らせ」という通知がハガキで届きます。引越し時に郵便局の窓口に新住所への転送届を出しておくと、1年間は新住所に郵便物が届きます。
転送期間を過ぎたり免許証の住所変更をしていなかったりすると、「免許証更新のお知らせ」は前の住所に送られてしまいます。免許の更新期間は3~5年ですので、自分も免許証の更新時期を忘れていると、気づかないうちに免許更新の期日を過ぎてしまう可能性があります。
無免許運転になることもある
前述したとおり、運転免許証更新音の通知ハガキが受け取れず、そのまま更新せずに期日を過ぎてしまうと、免許を失効してしまいます。
運転免許証の更新は更新期限の前後1か月となっていますが、正式には更新期限から6か月を過ぎると免許証の失効となります。この6か月間に交通違反や交通事故などで検挙された場合には、無免許運転の扱いになります。無免許運転では自動車保険が適用とならないので、費用は全額自己負担となってしまいます。
運転免許証の「本籍地」の変更をしないとどうなる?
道路交通法93条第1項では、運転免許証に記載されている内容について定められています。
(免許証の記載事項)
免許証の番号
免許の年月日並びに免許証の交付年月日及び有効期間の末日
免許の種類
免許を受けた者の本籍、住所、氏名及び生年月日
優良運転者はその旨
住所は現在住んでいるところをいいますが、本籍は婚姻届や転籍届などで届け出をしている場所をいいます。婚姻や転籍などによって本籍が変わった場合には、運転免許証に記載されている戸籍の変更手続きが必要になります。本籍の変更も明確な期限はありませんが、住所変更と同じで速やかに変更届を出しましょう。
もし本籍地の変更を怠った場合には、道路交通法121条第1項第9号にあるとおり、住所変更と同じで2万円以下の罰金が科せられることがあります。
まとめ
運転免許証の住所や本籍の変更については、道路交通法に定められていますが、明確な期限は明記されていません。しかし、法律で定められている義務ですので、罰金や科料などの処罰を受けないよう、また更新通知を見逃して免許失効などにならないよう、速やかに変更届を出す必要があります。
運転免許証は現住所のほかに顔写真も載っているので、身分証明書としても重要なものです。引越しなどで住所が変わったとき、うっかり運転免許証の住所変更手続きを忘れていたということがないよう、転入届の際はほかの手続きと一緒に変更手続きを済ませましょう。